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No.92 「歯周病改善における矯正治療と連結冠の役割」について

2017/11/16

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患です。歯磨きがしっかり出来ていない場合、そこに多くの細菌が停滞し、歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします。さらに進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、支えを失った歯は動揺して、最終的に抜け落ちるという悲惨な状況に陥ります。

 そんな怖い歯周病ですが、今回は、その歯周病を矯正治療と連結冠によって改善できた一例をご紹介いたします。
【51歳:女性】
 全体的に歯周病に罹患しており、動揺が著しい歯は抜歯して、矯正治療を開始しました。矯正治療中は痛みもなくスムーズに行えました。
 矯正の治療期間は約6か月。矯正治療をしたことにより、歯周病が改善された点は、①審美性が良くなった。②安定した咬合状態が得られた。③ブラッシングがしやすくなった事で口腔内の清掃状態が良好になった。
 歯周病を引き起こす原因は「不良なブラッシングによる細菌の停滞」と「歯列不正による咬合性外傷(不均一なかみ合わせによって歯周組織の破壊を生じる事)」です。要するに、矯正治療をすることで、この直接的な原因を根本から解決できたのです。
 さらに、歯周病に侵された歯は一本一本だと非常に弱く、抜け落ちる可能性が高いため、セラミック冠を使用して連結固定を施しました。
 歯周病は慢性疾患であるため治療後も経過観察していく必要はありますが、口腔内環境を一変できる矯正治療を併用すれば、ここまでの改善が可能となります。
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年齢・性別
51歳 女性
治療期間
6ヶ月
抜歯
非抜歯
治療費
80万円
治療内容
全顎矯正治療
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。