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No.100 過蓋咬合に起因する顎関節症とガミースマイルの矯正治療

2018/07/20
 患者様は15歳の女性で、口を開ける際に、顎に痛みがあるため、歯列矯正で治らないか?とのことで来院されました。口を開けたり閉じたりしてもらうと、耳の前方に位置する左側の顎関節部に痛みがあり、顎関節症の症状が認められ、その原因が「過蓋咬合」にあると推測できました。
 過蓋咬合とは、噛んだ時に下の前歯がほとんど見えず、噛み合わせが深い状態をいいます。過蓋咬合は、下顎の動きが制限され顎に負担がかかり、顎関節症を引き起こしやすいのです。また見た目に、上の前歯が下方に伸びており、その歯茎も下方にあるため、笑った時に歯茎まで露出して見える事が多く、ガミースマイルと呼ばれる症状を呈しています。
 過蓋咬合を治すべく、矯正治療を開始しましたが、もう一つ問題がありました。患者様の上顎左側の犬歯が、乳犬歯(子どもの歯)の状態でした。レントゲンで確認すると、大人の犬歯は歯茎の中に埋まった埋伏歯の状態であったため、乳犬歯を抜去して、犬歯を引っ張ってきました。そして、2年の歳月をかけて、過蓋咬合を治しました。
 治療前のスマイル写真では、上の前歯しか見えておらず、歯茎が露出するガミースマイルでしたが、治療後のスマイル写真では、上下の歯が見えて、歯茎も露出していません。また、写真ではわかりませんが、顎関節症の症状も改善されました。
年齢・性別
15歳 女子
治療期間
24ヶ月
抜歯
非抜歯
治療費
80万円
治療内容
全顎矯正治療
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。