Vol.181 臼歯部シザースバイトを伴う前歯部過蓋咬合のハイブリッド矯正治療
2025/04/25今回ご紹介する不正咬合の治療は非常に難易度が高く、10年前であれば治療が困難でした。しかし、デジタル技術の革新により、現在では治療が可能になっています。
特に注目されているのは、マウスピースを用いた矯正治療です。
マウスピース矯正の大きな利点は、上下の歯を直接噛み合わせることなく歯を動かせる点にあります。このため、ワイヤー矯正では修正が難しいシザースバイトという噛み合わせをマウスピース矯正では改善することができます。
しかし、前歯の過蓋咬合においては、圧下力が必要になるため、マウスピース矯正では修正が難しく、ワイヤー矯正の方が優位に是正しやすいです。
そこで、今回の症例においては、前歯の過蓋咬合はワイヤー矯正で、臼歯のシザースバイトはマウスピース矯正で修正して治療を完了しました。
このような複合的なアプローチによる矯正治療を「ハイブリッド矯正治療」と呼んでいます。
当院が開業した2009年と比較すると、新しい技術により、治しやすくなった歯列不正が顕著に増えました。
今後も最新技術を積極的に取り入れて、患者様の治療に貢献できるように努めてまいります。
- 年齢・性別
- 25代 男性
- 治療期間
- 36ヶ月
- 抜歯
- 上顎左右小臼歯
- 治療費
- 85万円
- 治療内容
- 全顎矯正治療
- 施術の副作用(リスク)
- 歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。