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Vol.182 矯正再治療における 咬合の再構築

2025/05/23

 今回の症例は、他の歯科医院で矯正治療を行うも納得できる歯並びにならず、再度、矯正治療をしたいと当院に受診された患者様です。
 患者様の口腔内を確認したところ、小臼歯4本抜歯を併用した矯正治療でした。
 小臼歯抜歯を伴う矯正治療はポピュラーな治療法ですが、理想的な歯並びに仕上げるには高度な治療技術と豊富な経験が必要であり、実は非常に難しいのです。
 アンドリュースのシックスキーという歯科矯正における理想的な咬合の特徴を示した6つの要素から構成された概念があります。

1・ 正しい咬合関係
2・ クラウンの適切な角度
3・ クラウンの適切な傾き
4・ 回転がないこと
5・ 間隔がないこと
6・ 歯列アーチの平面

 このシックスキーは、矯正歯科医が治療計画を立てる際の指針となり、患者様にとっても理想的な咬合状態を理解する助けとなります。矯正治療の目的は、この理想的な状態に近づけることです。
 来院当初の患者様の歯並びは、6つの要素のどれにも該当しない悲惨な歯列状態を呈していました。
 私はこのシックスキーを忠実に再現するため、3年かけて咬合の再構築を行いました。時間はかかりましたが、審美性と機能性に優れた個性正常咬合と呼ばれる理想的な歯並びに仕上がり、患者様にも満足していただけました。
 私は大学卒業後、矯正歯科を専攻し、従事してやっておりますが、矯正治療をやればやるほど難しい学問だと痛感しております。
 臨床経験を経て、私なりに試行錯誤しながら見つけた治療法で日々診療に当たっております。歯並びについてお困りの際はお気軽にご相談ください。

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年齢・性別
20代 女性
治療期間
36ヶ月
抜歯
なし
治療費
80万
治療内容
再矯正治療
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。