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No.57 矯正治療によって重度歯周病を改善した一例

2014/12/09

歯周病という言葉を耳にしたことがあると思いますが、歯周病とはどんな病気かご存じでしょうか?歯茎が腫れたり、血や膿が出るというイメージではないかと思います。

では、なぜ歯茎が腫れたり、血や膿が出るのかというと、まず、歯肉に食べカスが残留して、その食べカスが細菌となり、歯肉に炎症を起こします。その炎症状態を放っておくと、さらに、その細菌が歯肉の中へ侵入して、歯を支える骨を溶かしていきます。その骨が溶かされた状態を歯周病(歯周組織の破壊)とよんでいます。程度により軽度・中度・重度の3段階に分類されます。

今回は矯正治療によって重度歯周病を改善した一例をご紹介いたします。 患者様は31歳の女性です。

【治療前】全体的に歯周病に罹患しており、今にも抜けそうな重度歯周病の歯が上2本、下3本ありました。これらの歯を抜歯して矯正治療を開始することにしました。

【治療中】目立ちにくいオールセラミック製の矯正器具と白いワイヤーを付けました。治療中は大きな痛みもなくスムーズに行えました。

【治療後】治療期間は1年6か月。矯正治療をしたことにより、歯周病が改善された点は、①審美性が良くなった。②安定した咬合状態が得られた。③ブラッシングがしやすくなった事で口腔内の清掃状態が良好になった。

歯周病を引き起こす原因は「不良なブラッシングによる細菌の停滞」と「歯列不正による咬合性外傷(不均一なかみ合わせによって歯周組織の破壊を生じる事)」です。要するに、矯正治療をすることで、この直接的な原因を根本から解決できたのです。

歯周病は慢性疾患であるため治療後も長期的に経過観察していく必要はありますが、口腔内環境を一変できる矯正治療は本当に素晴らしい治療法です。

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