ぷれすしーど掲載記事

No.13 間違いだらけのマウスピース矯正

2011/04/08

Question

マウスピースをはめて歯並びを治していく最新式の矯正治療があるようですが、通常の矯正治療との違いを教えて下さい。（30歳・女性）

Answer

マウスピース矯正法とは、矯正をはじめる段階の歯型をとり、その歯型から矯正治療後の予測模型を作製して、それに合わせて作られたマウスピースを歯にはめることで徐々に歯が並んでいくというものです。近年、このマウスピース矯正は新時代の矯正法としてテレビや雑誌に取り上げられ、話題になりました。（画像1）。

マウスピース矯正のメリットは、ご自分の都合に合わせてマウスピースを付けたり外したり出来ます。さらに、マウスピースは透明なのであまり目立つことなく治療をすすめていくことが可能です。しかし、マウスピース矯正で治療できる歯並びはごく一部に限られているのが現状です。奥歯のかみ合わせに問題がなくて、前歯のデコボコが軽度なものに限られます。テレビなどのマスメディアはどんな歯並びでもキレイに治せるといったような報道をしていますが、それは間違った報道であると私は考えます。

理由として、マウスピース矯正では上下の歯の前後的位置関係を改善することや良好な咬合状態を得ることは不可能だからです。矯正治療で重要なポイントは、審美性と機能性の両方を改善する事です。審美的要素だけが改善できても噛めなくなってしまっては意味がありません。要するにマウスピース矯正は、審美性をある程度治す事が出来ても機能面において期待できる結果が得られないという事です。

一般的な矯正治療の代名詞とも言えるブラケット矯正であれば、緻密な調整が可能なため審美性及び機能性の改善ができ、満足いく結果が得られるため理想的な矯正治療法といえます（画像２）。このような理由からマウスピース矯正はあまりオススメ出来ませんが、症例を選べば良い治療法だと思います。気になる方は矯正無料相談にお越しください。