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No.64 「過蓋咬合(かがいこうごう)」における矯正治療

2015/07/25

Q:

私は前歯のかみ合わせが深くて、下前歯が上の歯の裏側歯肉に当たっており、噛むたびに歯肉が痛いです。また上の前歯が下の前歯に押されているためか、最近、上の前歯が揺れてきて抜けそうで怖いです。
この場合、矯正治療で改善できるのでしょうか?(39歳 男性)

A:

はい。矯正治療を行うことで改善できます。

 専門用語で「過蓋咬合=ディープバイト」といいます。過蓋咬合とは、前から見たときに、上の前歯が下の前歯を覆ってしまうくらい深くまで噛み合っている噛み合わせです。歯が凸凹しているなどとは違い、自分自身では気づかないことが多く、学校健診や歯科医院で指摘されることが多い噛み合わせです。

 過蓋咬合はあまり一般的ではありませんが、歯や歯茎などに悪影響を与える噛み合わせの一つです。上下前歯の噛み合わせが深いことにより、下の前歯が上の歯茎の根元をいつも刺激するため、傷がついたり、腫れたりしやすいのです。そのため痛みが強くなり、噛むことさえ出来なくなります。場合によっては下の前歯を削って、刺激を減らさなければいけません。

また、下前歯が上前歯の根本を突き上げるため、上前歯の動揺が顕著に現れます。さらに、奥歯でしか噛んでいないため、奥歯の負担過重で歯周組織が破壊され、歯周病が進行していきます。結果的に歯の寿命を短くしてしまう非常に危険なかみ合わせの一つなのです。

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