No.98 横顔の評価基準「E--ライン」
2018/05/28 E―ラインとは人の側貌〝profileプロファイル横顔〟を評価する一つの基準とされ、このライン内に入ることが美しい口元とされています。この評価方法は1954年に矯正医ロバートリケッツ(Robert Ricketts)が提唱したもので、現在でも用いられています。
具体的には、人の側貌において、鼻の先端とあごの先端を結んだ線をE―ラインといい、美しい口元を持つ人は「上下の唇がこのラインに触れず、少し後ろにある」とされています。しかし、これはあくまで鼻の高い欧米人のE―ライン評価法であり、日本人は欧米人と比べ鼻が低いため上下口唇がともにほぼこのライン上に位置するのが美の範疇とされています。
日本成人矯正歯科学会においてE―ライン・ビューティフル大賞まで存在します。これまでのE―ライン・ビューティフル大賞には、1990年の第1回大会より、ピンクレディーのMIEさん、宮沢りえさん、黒木瞳さん、米倉涼子さん、上戸彩さん、武井咲さん、剛力彩芽さんなどの著名人が受賞しています。受賞者の顔ぶれをみると、やはり口元が後退している方が好まれているように思えます。
症例は上下顎両側第1小臼歯を抜歯し、舌側矯正治療を行った症例です。前歯の後退により、口元も大きく後退しているのが分かります。上下とも前歯が平均値と比べて著しく突出していたため、機能的にも審美的にも芳しくない状態です(また、口元の突出は口の閉じにくさにも通じ、口呼吸にもつながります)。つまり、治療計画上、上下の前歯を大きく後方へ移動させる必要がある症例だったと言えます。
E―ラインは万能な評価方法というわけではありませんが、簡易に導き出すことができて、評価基準としての信頼度も高いことから現在も広く使用されています。また、ご自宅でも簡単にできる評価方法ですので、自分自身を評価してみてくださいね。
- 年齢・性別
- 26歳 女性
- 治療期間
- 30ヶ月
- 抜歯
- 上顎左右4番
- 治療費
- 100万円
- 治療内容
- ハーフリンガル矯正治療
- 施術の副作用(リスク)
- 歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。