No.129 先天性欠如歯を伴う矯正治療
2020/12/16 先天性欠如歯とは、生まれつき歯がない状態をいいます。永久歯(大人の歯)にみられる先天性欠如のほとんどが下顎前歯もしくは下顎第二小臼歯です。その理由はよくわかっていませんが、親から子への遺伝性は認められています。
歯がない状態をそのままにしておくと、横の歯が倒れてきたり、上の歯が伸びてきたりと歯列全体がズレてくることが予想されます。
今回の症例は28歳の男性、でこぼこの歯並びを治したいと矯正相談に来られました。
口腔内とレントゲンを確認すると、12歳頃に生え変わるはずの子供の歯(下顎第二乳臼歯)が左右とも残っており、その下にあるはずの大人の歯(下顎第二小臼歯)が欠如していました。
このまま放っておくと、近い将来、乳歯は抜け落ちて、歯並びの不正がさらに深刻なものとなるでしょう。
そのため今回は叢生(でこぼこ)改善のため、上顎第一小臼歯と下顎第二乳臼歯を抜歯して矯正治療を行いました。
上下の歯を4本抜歯することで、残った歯がその抜歯スペースに移動していき、綺麗な歯並びとなっていくのです。
矯正治療は見た目の美しさを得るだけではなく、虫歯や歯周病に侵されにくい口腔内になります。生涯にわたって健康かつ美しい歯を維持できる唯一無二の治療法です。
- 年齢・性別
- 28歳 男性
- 治療期間
- 26ヶ月
- 抜歯
- 上顎左右4番、下顎左右E
- 治療費
- 80万円
- 治療内容
- 全顎矯正治療
- 施術の副作用(リスク)
- 歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。