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No.128 臼歯部交叉咬合を伴うシビアな開咬症例

2020/11/18
 正常咬合とは、上アゴが下アゴを覆うように均等に噛み合っていて、上の歯列全体が下の歯列よりも2ミリほど外側に出ています。
 不正咬合の一つである「交叉咬合」とは、上下の歯を噛み合わせた時に、上下の歯列のどこかが交叉(反対)に噛んでいる状態で、「開咬」とは歯列のどこかが噛み合わずに開いている状態ですが、多くが前歯部です。開咬の場合、前歯で食べ物を咬み切ることができないばかりでなく、空気が抜けるため聞きとりにくい不明瞭な発音となってしまうなどの問題があります。
 今回の患者様は25歳女性で、右側の交叉咬合を伴う開咬状態を主訴に来院されました。


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 まず、上下左右の第一小臼歯(真ん中から4番目)を抜歯後、歯の表面に矯正器具をつけました。交叉咬合を改善すべく上アゴの裏側から、歯列の幅を広げる「クワドへリックス」をセットしました。
 本症例では右側のみを広げたいのですが、「クワドヘリックス」は左右とも広げてしまうため、口蓋に「アンカースクリュー」を埋入して左側が広がるのを抑制するような力をかけました。
 28ヵ月の治療期間を経て、右側の交叉咬合と開咬は改善され、上アゴの歯列が下アゴの歯列と均等に咬み合うようになり、患者様も前歯で物がしっかり噛めて、見た目も綺麗になり大変満足されています。
年齢・性別
25歳 女性
治療期間
26ヶ月
抜歯
上下左右4番
治療費
80万円
治療内容
全顎矯正治療
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。