Vol.150 先天性欠如歯を伴う矯正治療デジタル舌側矯正
2022/09/16 当院では2019年より採用しているデジタル舌側矯正。これは技工操作を全てデジタル化して、歯の裏側に装置を付けて歯並びや噛み合わせを整えていく最新の見えない矯正治療です。
ドイツで開発されたカスタムメイド型のリンガルブラケット矯正装置。ヨーロッパでトップシェアを誇り、世界60か国以上で使われています。最大の特徴は、一つひとつの歯に合わせて完全オーダーメイドで作るという点です。
歯の裏側はとても複雑な形をしており、当然ながら形も大きさも人それぞれ異なります。そのため、形が決まっている既成の矯正装置を適合させるには樹脂をたっぷり盛る必要があり、どうしても厚みが出てしまうのです。しかし、デジタル舌側矯正はブラケットからオーダーメイドするため、どんなに複雑な形をした歯でも正確にフィットさせることができます。装置の厚みも薄くて快適な矯正生活が送れるでしょう。
また、デジタル舌側矯正はロボット制御によるアーチワイヤーの屈曲により、理想的な歯並びが期待できます。
今回はこのデジタル舌側矯正を使用した症例をご紹介致します。
患者様は16歳の男子。上顎前歯の凸凹と下顎前歯のスペースを治したいという主訴でした。
生まれつき下顎前歯の2本が欠損しているためスペースが生じており、上顎は凸凹の叢生改善と上下の咬合を良好にするため、上顎第一小臼歯を2本抜去しました。
そして上下顎にデジタル処理されたリンガルブラケットを装着して歯列全体のコントロールをしていきました。
下顎のスペース閉鎖及び上顎の叢生改善と抜歯スペースの閉鎖が完了して、ブラケットを外しました。1年10ヶ月の治療期間を要しましたが、他人に気づかれずに矯正ができたメリットは大きいでしょう。
- 年齢・性別
- 16歳 男性
- 治療期間
- 22ヶ月
- 抜歯
- 上顎両側4番
- 治療費
- 80万円
- 治療内容
- 全顎矯正治療
- 施術の副作用(リスク)
- 歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。