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Vol.157 大人の矯正治療

2023/04/21

矯正治療というと、一昔前は子供がするという認識が強かったと思いますが、昨今は、男女問わず、大人になってから行う方々が非常に増えています。
その理由としては、やはり審美性(見た目)を非常に重要視する時代となってきたからでしょう。
目や鼻、全身にメスを入れる美容整形が身近なものとなり、歯列矯正も歯並びを治す治療法として広く認知されています。
専門的な観点からすると、歯列矯正は審美的な回復だけでなく、歯の噛み合せを正すことで、咀嚼や発音などの機能を回復し、虫歯や歯周病のリスクも低下させます。

今回の患者様は、37歳、女性。反対咬合を治したいとの主訴で来院されました。
反対咬合には歯列矯正のみで改善できる歯槽性反対咬合と下顎骨の切断手術を併用する骨格性反対咬合の2つのタイプがあります。
当患者様は重度な反対咬合にみえますが、模型やレントゲンなどの検査結果から骨格性要因はほとんどなく、歯槽性要因が強かったため、通常の歯列矯正で治療が行えました。

まず、上顎前歯を外側に押し出すだめに、リンガルアーチという装置を上顎にセットし、反対咬合が治るまで8ヶ月間使用しました。
反対咬合を改善したあとは、メタルタイプのマルチブラケット装置をセットして、6ヶ月程、歯を理想的な状態に並べていきました。治療開始してから、14ヶ月という期間で矯正治療は終了しました。

このように40代前後の方でも矯正治療を行うことは可能です。しかし、若年者と比較すると歯周組織の反応が悪くなり、歯が動きにくくなります。
しかし、小臼歯抜歯が必要なく、今回のように非抜歯で治療できる場合は、治療期間は短くて済みますし、リスクも少ないと考えます。

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年齢・性別
37歳 女性
治療期間
14ヶ月
抜歯
非抜歯
治療費
70万円
治療内容
全顎矯正治療
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。