Vol.156 下顎小臼歯抜歯にて治療したクラスIII症例
2023/03/16歯の噛み合わせは、アングル分類によって以下の3つに大別されます。 ①クラスI(正常咬合) ②クラスⅡ(上顎前突・出っ歯) ③クラスⅢ(下顎前突・受け口)
今回の患者様は、受け口を治したいと来院されました。クラスⅢの噛み合わせのため、下顎臼歯が上顎臼歯に対して前方に位置しています。
クラスⅢの場合、歯性の要素よりも骨格性の要素が強ければ、下顎骨切りの手術を併用した外科的矯正治療も検討しますが、患者様は手術はしたくないと言われたため、通常の矯正治療を検討しました。
非外科の治療方針として2つ考えられます。
①非抜歯にて下顎臼歯を後方に移動して、I級関係の咬合確立を目指す。
②下顎第二小臼歯の抜歯を行い、フルクラスⅢの咬合様式でフィニッシュさせる。
今回の場合は、初診時よりシビアなクラスⅢの咬合を呈していたため、②を選択しました。
下顎にアンカースクリューを埋入して、咬合状態の緊密化を図りながら治療を進めていった結果、安定した咬合が得られ、非外科ではあるものの、口元の陥凹感も改善されました。
- 年齢・性別
- 28歳 男性
- 治療期間
- 24ヶ月
- 抜歯
- 下顎両側4番
- 治療費
- 80万円
- 治療内容
- 全顎矯正治療
- 施術の副作用(リスク)
- 歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。