No.2 反対咬合<はんたいこうごう>(うけ口)の矯正治療について
2010/05/14Question
4歳の息子ですが、1歳6カ月と3歳の歯科検診で反対咬合と言われました。これから歯が抜けかわると思いますが、どのようにすればよいですか?そのままにしておくのは問題ですか?
Answer
反対咬合とは、上下の前歯が逆にかんでいる状態で、一般的にうけ口と言われています。下アゴが突き出たような特徴的な顔つきのため、見た目を気にされる方が多いですが、問題はそれだけではありません。口の周りの筋肉が正しく機能しないために、サ行、タ行の発音がうまくできず、舌たらずのようなしゃべり方になってしまいます。また、前歯で食物をかみ切ることが難しいために、食べ方にも特徴が現れてきます。このように日々の生活において様々な影響を与えることとなります。
早い人では歯が生え始める生後6カ月頃より反対咬合がみられます。早期治療法として、3歳頃より矯正を開始する場合もありますが、ほとんどの場合、6歳頃までは経過をみていきます。そして、前歯が永久歯に生え変わる7~8歳頃から矯正治療を開始していきます。
まず、第一に歯の上下的な位置関係を正しく改善していきます。さらに、歯のみでなく上下のアゴの成長も考慮しながら治療していく必要があります。そのため、アゴの成長を促したり抑えたりする装置を使うこともよくあります。反対咬合は自然に治る可能性は極めて低く、そのままにしておくと下アゴが成長しやすい状況が続くため、成長が終了する頃には重度の反対咬合となっていることがあります。この場合、治療法の選択肢が狭くなり、手術によりアゴを切るという選択肢もでてきます。
これらのことより、反対咬合の治療はアゴの成長をコントロールしやすい小学校低学年頃より開始することが望まれます。また、アゴの成長が終了するまでの長期間にわたり、経過観察と治療が必要になります。検診時に反対咬合と言われた方や反対咬合の心配がある方は、早めに矯正専門医にご相談下さい。個々の患者様にあった適切なアドバイスができることと思います。