No.3 最先端治療「インプラント矯正」とは?
2010/06/11Question
23歳、女性です。歯並びが悪く矯正治療の相談にいったところ、夜間にヘッドギア(画像1)という装置を使用しなければ治らないと言われました。ヘッドギアを装着することにすごく抵抗があります。何か他に良い方法はありますか?
Answer
従来の矯正治療は患者様の協力状態の有無によって治療期間および治療結果が大きく左右されていました。歯を動かすとき、力の支えとなるところ(固定源)が必要です。今までは、奥歯を固定源として前歯を引っ張って動かしていました。しかし、固定源となる奥歯も動いてしまうため、患者様にヘッドギアという大がかりな装置を一定期間(数か月~一年間)使用してもらい、奥歯の移動を最小限に止めておく必要がありました。
しかし、近年、インプラント矯正(画像2)という画期的なシステムが普及してきました。インプラント矯正とは、矯正用の小さなビス型インプラントを歯肉を通して歯槽骨という骨に埋め込み、これを支えに歯を動かすというものです(画像2―拡大図)。固定源が骨のため、奥歯と違って動く心配がなく、患者様にとって煩わしいヘッドギアを使用しなくて済むというシステムです。さらに確実な歯の移動が行えるため、シビアな歯並びでも良好な治療結果が得られ、治療期間もかなり短縮できるというメリットもあります。
矯正用のインプラントを用いた治療は、矯正治療の幅を広げるために開発されたシムテムです。多くのメリットがある反面、インプラントを埋め込むという不安は誰もがあると思います。個々の患者様により、そのメリット・デメリットも多少違いますので、まずはお気軽にご相談下さい。
(注)ヘッドギアは成長期のお子様において使用する場合がございます。