No.22 歯並び・顎の成長によくない癖や習慣〈前編〉
2012/01/04Question
指しゃぶりをずっとしていると出っ歯になると聞きました。歯並びに悪影響を及ぼす癖にはどのようなものがありまかすか?
Answer
指しゃぶりや、舌突出癖([ぜつとつしゅっへき]舌を前に出す癖)、頬杖、口呼吸などを行うことにより、歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。前編、後編に渡って癖についてご紹介いたします。
■指しゃぶり
指しゃぶりを続けていると、奥歯を咬んだとき上下の前歯が開いてかみ合わない「開咬」や、「出っ歯(上顎前突[じょうがくぜんとつ])」、上顎の歯列の幅が狭くなって上下の奥歯のかみ合わせがハサミのようにズレてかみ合わない「交叉咬合(こうさこうごう)」などの不正咬合になることがあります。
これらの症状の現れ方は、指しゃぶりの期間や、回数、吸う強さ、指しゃぶりをしやすい顎の形をしていること(遺伝的要因)などによっても、個人差がでるようです。
指しゃぶりだけでなく、ガーゼ、おしゃぶり、爪、鉛筆などを噛む癖も、歯並びや顎の成長に悪影響を与えることがあるとされています。これらの癖は、3歳頃までならあまり問題ないとされていますが、4歳以降も続いてしまうと歯並び・顎の成長に影響を及ぼすことが考えられますので、やめさせた方がよいでしょう。
ただし、やめさせる時にはタイミングが大切です。卒乳の時や、言葉の理解ができた時、お友達ができたなど社会性が発達した時に、やめた方が良い理由をきちんと説明して、できるだけ自分自身で「やめたい」と思えるようにサポートしてあげましょう。叱ったり、急かしたりなどすると、お子様にストレスを与えて逆効果となることがあります。
■頬杖[ほおづえ]
頬杖を続けていると、かみ合わせが深くなったり、顎の成長に支障をきたしたり、かみ合わせがずれることがあります。ほとんどの場合が無意識でしていることが多いので、自覚させてやめるように促しましょう。5〜6歳以降に現れやすいとされています。
(後編に続く)