No.95 歯の神経の治療(根管治療)
2018/02/18歯の中には「歯髄」と呼ばれる神経や血管を含む組織があります。むし歯や外傷によって歯髄が感染したり壊死したりしてしまうと、歯髄を取り除く根管治療が必要になります。
根管治療が必要となる病態には以下のようなものがあります。
・歯髄炎...むし歯が進行し歯髄にまで達すると歯髄炎となります。歯髄炎は炎症が元の正常な状態に回復する場合(可逆性歯髄炎)は歯髄を除去する必要はありませんが、炎症が正常な状態に回復しない場合(不可逆性歯髄炎)は根管治療をする必要があり、抜髄と呼ばれます。症状は冷たいものや温かいものがしみる、じっとしていても鈍い痛みを感じることがあるなどです。
・歯髄壊死...歯髄炎を放置しておくと歯髄壊死となり、温度刺激による痛みは感じなくなります。外傷により脱臼した歯が歯髄壊死となることもあります。症状は歯の色が変わってきた。しみていた歯がしみなくなったなどです。
・根尖性歯周炎...骨の中まで炎症が進行すると根尖性歯周炎と呼ばれる状態になります。根尖部(根の先)まで波及した細菌感染が根尖部周辺の骨まで溶かしてしまい、レントゲンでは黒い楕円形を呈して、「根尖病変」と呼ばれます。
むし歯を治療せずに放置して根尖性歯周炎にまで進行することもありますが、一度、根管治療を行なった歯が根尖性歯周炎となっている状態もみられます。
症状は「噛むと痛い」「歯茎から膿が出る」「なんか違和感がある」「たまに強い痛みを感じる」などです。