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ふかつ歯科・矯正歯科HOMEぷれすしーど掲載記事No.104 交叉咬合に起因する顎変位を伴う矯正治療

No.104 交叉咬合に起因する顎変位を伴う矯正治療

2018/11/09
交叉咬合(こうさこうごう)とは、不正咬合の一形態で、上下歯列の水平方向での不正咬合です。臼歯部における横方向の咬合関係の異常(臼歯部交叉咬合)と前歯部における前後方向の咬合関係の異常(前歯部交叉咬合)があります。通常は、上顎の奥歯が下顎の奥歯に対して内側に位置している臼歯部交叉咬合を指して言います。
 
歯科矯正治療の最も困難な咬合形態の一つであり、咬合の歪みから将来的に顎関節症を誘発し、頭痛肩こり腰痛などを併発することが多いです。今回の症例は、臼歯部交叉咬合によって、顎自体が左側に7㎜ズレて歪んでいました。上下前歯の正中線がズレている分、顎も歪んでいるとお考えください。
 
顎に歪みがある場合、顎骨自体の大きさに問題があることが多く、矯正治療のみでの改善は見込めず、外科手術を併用する外科的矯正治療の適応となります。しかし、今回の顎の歪みに関しては、歯のみに起因する顎変位と考えられるため、歯列矯正のみで治療しました。
 
 
交叉咬合が治った結果、上顎に対して下顎が正常な位置に戻り、顎の歪みは解消され、正中線も一致しました。
年齢・性別
16歳 女性
治療期間
18ヶ月
抜歯
非抜歯
治療費
80万円
治療内容
全顎矯正治療
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。