ぷれすしーど掲載記事
2013.12.20
No.45「大人と子供の矯正治療の違い」について
矯正治療は子どもの時にしないと手遅れだと考えている人がいまだに結構いらっしゃいます。また、そのように説明をしている歯科医がいるのも事実です。
大人でも子供でも歯の動きには大差がないのに、治療の説明に違いがあるのは何故でしょうか?それは、子供の成長を利用するかどうかの違いです。
発育途中の子どもの時に、上下のアゴの咬合誘導を行い、正しい噛み合わせをつくり、骨と筋肉も正しく成長させることが望ましく、そうすることで大人になっても良好な歯列、咬合を維持できるという考えです。小児矯正推進派の先生方はこのような考えで治療方針を立案して、大人になっての抜歯矯正を極力避けようとする治療法です。一般的に床矯正と呼ばれます。 確かに理想的な矯正治療法のように聞こえますが、子供の時期に出来る矯正治療には限界があり、すべてうまくいくわけではなく小児矯正のみで治る確率は30%程度です。また、小児矯正を行ったからといってすべての小臼歯抜歯(便宜抜歯)が避けられる程、矯正治療は安易なものではないのです。それでも抜かないのであれば、ただ歯を並べるだけの審美性や咬合を無視した矯正治療となってしまします。
子供の時期に治らない歯列であれば、無理に小児矯正をせずに、永久歯が生え変わる中学生や高校生になって確実な矯正治療をすべきなのです。もちろん、20代以降でも良いのです。大人の矯正の場合、成長コントロールは不可能ですが、すべて永久歯のため、治療ゴールが明確に設定でき、確実な治療が行えます。
子どもの時に治療を始めたからといって矯正の治療期間が短いとか、確実な矯正が出来るとか、治療後の後戻りが少ないとか、そんな事は一切ありません。
矯正治療を開始する適正年齢というのは歯並びの状態によって様々で、統一的見解は存在しません。言い換えればどんな歯並びだって何歳になっても遅いということは全くないのです。歯があれば80代でも矯正は出来るのです。
以上より、歯並びが気になる方は年齢問わずお気軽にご相談下さい。