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No.11 矯正装置の選び方、使い方

2011/02/11

Question

娘(8歳)の前歯が重なって生えてきたため、かかりつけの歯科医院に相談に行くと、床矯正という方法を勧められました。床矯正とは取り外し式の装置でアゴを広げることで、抜歯をしなくても歯が並ぶ治療法と説明されました。(画像1)

床装置:アゴを横に広げる装置

しかし、かかりつけの歯科は矯正歯科ではなく一般歯科です。歯は一生使っていくものだから、矯正専門の歯科にかかったほうが良いと知人に言われました。矯正専門の先生は床矯正についてどう思われますか?

Answer

・床矯正治療の位置づけ

矯正専門の医院においても、床装置を使うことはよくあります。しかし、アゴを広げたからといって、必ずしも抜歯をせずに歯が並ぶとは限りません。また、抜歯をしないことが良い矯正治療というわけではなく、抜歯をする矯正治療にも多くのメリットがあります。

取り外し式の装置は患者様の協力状態によって治療期間が左右されるため、固定式の装置のほうが短期間で確実に広がります。アゴを広げることは矯正治療の途中経過に過ぎず、それだけで矯正治療が完結することはあり得ません。そのため、床矯正法という独立した治療法はないと考えます。

・矯正治療で重要なポイントとは?

ここで言う床矯正装置は単にアゴを横方向に広げるためだけの装置であって、前後方向の位置関係は改善できません。しかし、矯正治療で重要なポイントは、上下の歯の前後的な位置関係を良好にして緊密な咬み合わせを得ることです。要するに三次元的に歯を動かす必要があり、治療の段階に合わせて適切な装置を使用すべきなのです。

・矯正治療をお考えの方へ

矯正治療をする場合、個々の患者様の歯並びや骨格の状態をしっかり検査して、どうすれば最も良い歯並び、かみ合わせ、美しい口元が得られるか検討していきます。矯正専門医であれば単一的な装置による治療法ではなく、患者様に適した装置を使用して最善の治療法をご提示できることと思います。