No.5 「ムーシールド」による3歳児からの受け口治療
2010/08/06Question
3歳の息子が受け口で、矯正治療の相談にいったところ「永久歯が生えるまで様子を見ましょう。」と言われました。親の私が受け口のため、息子には早い段階で治してあげたい気持ちが強いのですが、あせる必要はないのでしょうか?
Answer
3歳児検診において約5%の割合(年間4万~5万人)で受け口がみられると報告されています。これらの幼児に対して、多くの歯科医は「永久歯が生えるまで様子を見ましょう」と言うことと思います。
この「様子見」する理由には、①3~6歳の幼児では矯正治療をすること自体が大変であること。②乳歯はいずれ抜けるため、矯正治療の必要がないと考えられていること。③可能性は低いが、永久歯に生え変わる時に自然に治ることがあるということ。などが挙げられます。
しかし、受け口は単に歯が反対に咬んでいるという問題だけではなく、舌の位置づけが不正であることが極めて多くみられます。そのため、口の周りの筋肉が正しく機能せずに、さらなる受け口の悪化を招き、しゃべり方、食べ方にも特徴が現れてきます。このような事から、受け口は早い段階で治療すべきであると私は考えます。
近年、三歳児からの早期受け口治療にムーシールド【画像1】というマウスピース型の装置が開発されました。
夜寝る時に、このムーシールドを口にくわえるだけで、舌の位置づけを良好にして口腔周囲の筋肉のバランスを整え、結果的に受け口を治すという理想的な矯正装置です。
治療期間は半年~一年程度です。3歳児検診で受け口と指摘された方や受け口が気になる幼児期のお子様には、このムーシールドで治る可能性が多分にあります。しかし、ムーシールドだけでは治らないような難しい症例もあるので、どの治療法を選ぶかは専門医とよくご相談下さい。