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Vol.175 カリエールモーションを用いた上顎前突における矯正治療

2024/10/21

カリエールモーションを用いた矯正治療とは、クラスⅡ(出っ歯)と呼ばれる臼歯関係を最初の3~6ヶ月でクラスI(正常な噛み合わせ)に是正し、その後、ワイヤーにて歯を並べて終了するという画期的な治療法です。カリエールを使用することで以下の点が期待できます。
①非抜歯矯正
②治療期間の短縮
③審美性と機能性に優れた治療結果
④矯正治療のストレス軽減
今回の症例は、13歳の男の子で、出っ歯を主訴に来院されました。奥歯(臼歯)の噛み合わせをみると、フルクラスⅡ状態を呈しています。この場合、通常は上顎小臼歯を抜歯して臼歯関係を変えずに治療終了するというのが一般的かと思われます。
しかし、13歳の患者様は第二次成長期が始まったばかりです。そのため、歯周組織もまだ柔軟な顎骨であり矯正治療における十分な歯の移動が期待できると考え、非抜歯にて矯正治療を行うこととしました。
最初にカリエールモーションを4ヶ月使用してもらい、想定していた小臼歯1本分(7.0㎜)の遠心移動が行えて、クラスIの咬合に構築できました!
その後ブラケットを23ヶ月間装着して上下の歯列を整えて矯正治療を終了しました。治療開始から28ヶ月という期間を要しましたが、非抜歯にて美しい歯並びを手に入れることができました。
カリエールモーションは犬歯から大臼歯を一塊として歯列全体を後方に動かすことで、前歯部の前突感を軽減して、なおかつ非抜歯で機能的な咬合も獲得できる優れた矯正装置と言えます。

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年齢・性別
13歳 男性
治療期間
28ヶ月
抜歯
非抜歯
治療費
85万
治療内容
全顎矯正
施術の副作用(リスク)
歯を動かすことによる痛み、許容範囲外の歯根吸収、稀に歯髄壊死や顎関節症を引き起こす、治療後の過度な後戻りなど。